絵画の本質とはどこに存在するのか?これは、SNSなどを通してデジタルデバイスのディスプレイで絵を見る機会が圧倒的に多くなってきているここ数年、持ち続けてきた疑問である。それは、作品のいわゆる「実物」にしか存在しないのか。ディスプレイに表示されるイメージと「絵画」の違いは何なのか。
「PICTURE」は、支持体に絵具が定着する前のまだ液体として生々しい瞬間を写真で捉え、それをプリントしたものを「絵画」として提示する試みである。この行為は、冒頭の疑問を撮影、プリント、展示という工程を経て問うものでもある。
絵画の“本質”が、絵具によって支持体に塗り込められたものとするのならば、「PICTURE」は“本質”をそこから解放する。