「空間へのドローイング:渋谷」渋谷, 東京(2025)
質量を持たず、どこにでも出現させる事ができるというデジタルデータの特性を持ったドローイングに場所固有性という物理的制限を与え、逆説的に絵画としての実体を形成する試み。
渋谷各所の空間で描かれたドローイングの3Dデータは、描かれた場所のリサーチを通して採取されたテクスチャや環境音を纏う事で、場所の記憶や時間の痕跡を自身のマチエールとして獲得する。描かれた場所に再配置されて鑑賞される時、「空間へのドローイング」はその空間に依存する絵画となり、鑑賞者との間に新たな関係性を構築する。