Koji Shiroshita 城下浩伺

空間へのドローイング:FabCafe Osaka

2025.6.14 - 29

FabCafe Osaka

アートコレクティブ「城下浩伺&みふく」としての展示。
「FabCafe」として世界13拠点目、日本国内では6拠点目として大阪 天満にオープンした「FabCafe Osaka」において、同スペースが改装工事に入る前から現場での制作とリサーチを開始し、完成後の空間で展示を行った。
会期中、FabCafeOsakaの内装デザインを手がけた建築家井上 真彦氏(Marginalio Inc.)、FabCafeOsaka事業責任者小島和人ハモニズム氏とのトークセッションや、「空間へのドローイング」ワークショップを実施した。

展示情報ページ

【作品ステートメント】
2025年4月にオープンしたFabCafe Osakaの店舗は、かつて自動車整備工場として使用されてきた空間でした。
城下浩伺&みふくは2024年12月、改装工事着手前の現場にて、VR機器をメディウムとし、空間そのものを支持体としてドローイングを描く《空間へのドローイング》の制作を開始しました。
描き上げられた3Dドローイングには、自動車整備作業のための地下ピットなどの建築的特徴が現れています。さらに、摩耗したコンクリートの床や塗料が蓄積した手洗い場、錆の残るシャッターなどの物質的痕跡や、場内外で収録した環境音などの聴覚的痕跡が、ドローイングのテクスチャとして与えられました。
また、大阪がかつて何度も海の底に沈みながら、水都としての歴史を歩んできた事も本作のインスピレーションの一つとなり、AIによって再現された数万年前の淀川の風景を素材として取り込んでいます。
VRゴーグルを通してのみ知覚可能な非物質的イメージとして生まれた3Dドローイングが、複層的な「場所の記憶」をマチエールとして獲得することで、絵画としての実在感をいかに形成しうるかを問いかけます。

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