PICTURE
“どこまでが絵なのか
どこから絵でなくなるのか
僕はこれは、まだ絵だと思う”
紙に墨が定着する前の、まだ液体として生々しい瞬間を写真で捉えた“絵画”によって、絵画の“本質”はどこにあるのか、「作品の実物」にのみに宿るものなのか、という疑問を、撮影、プリント、展示という工程を経て問う。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言下で、鑑賞の場をギャラリーでの実物鑑賞からオンラインでの展示鑑賞へと移行。結果的に、「PICTURE」がテーマとしていた「絵画の本質が存在する場所」を、半ば強制的に「ディスプレイ越しの展示鑑賞」という形でも問う事にもなった。
絵画の“本質”が、絵具によって支持体に塗り込められたものとするのならば、「PICTURE」は“本質”をそこから解放する。