FOCUS Koji Shiroshita Exhibition│KOUSAGISHA GALLERY
Oct 23, 2020(News)
距離感の境界
今年、人や物との関わり方が急激に変化して、
正解が分からない世界が現れた。
2020年4月〜6月、城下が新型コロナウイルス感染拡大の最中に開催した「PICTURE」展は、紙に墨が定着する前の、まだ液体として生々しい瞬間を写真で捉えた“絵画”によって、絵画の“本質”はどこにあるのか、「作品の実物」にのみに宿るものなのか、という作家の疑問を、撮影、プリント、展示という工程を経て問うものであった。 写真家三保谷将史との協働によって絵画の新たな可能性を切り開いた城下が新たにモチーフとしたのは、スマートフォンの速度制限中にのみSNSに現れる読み込み完了前の画像や、映画の1シーンの背景に映り込んだボケた絵画などの「新しい風景」である。 カメラレンズを通した画面を見ながら墨や絵具を使って描いた「元画」を、三保谷がアウトフォーカスで10〜20枚撮影し、その中から城下が1枚を選び出してプリントした“絵画”を展示する。 新型コロナウイルスによって大きく変化した人や物事との距離感の不分明さを、「どこにも焦点が合っていない絵」を通して問いかける。(プレスリリースより)
Photo : Masashi Mihotani
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